不動産賃貸業にとって、その不動産は大切な商品です。その不動産を長年に渡り、適正に維持管理していかなければ、不動産賃貸事業の安定化は図れません。最近、設備の故障が多くなったと感じたり、建物の汚れが気になったり、テナントからクレームが多くなったりしていませんか? それは予期していたことでしょうか?
不動産賃貸業は、収入も予測できますが、支出(主にビルメンテナンスコスト)についてもある程度の予測が立ちます。建物を適正な仕様に基づきメンテナンスを行っていれば、大きく毀損をきたすような事態は起こりにくいものです。また同じ清掃業務であっても、拭仕上げの状態、清掃員のマナー、使用用具やその管理方法などで大きく差が出ます。私たちエム・エス・ビルサポートでは、そんな目の届きにくい細かい部分も含め、現場主義でのビルメンテナンスをご提案をいたします。
建物のライフサイクルコスト(LCC)という言葉をご存知でしょうか?建物を企画・設計・建築し、その建物を維持管理して、最終的に解体・廃棄するまでの費用の総額のことを言います。
右図に示すように、LCCの中で建築コストは氷山の一角で、「維持・管理コスト」が全体割合の多くを占めると言われています。 建物の設計時において建物・設備の長寿命化を検討することは当然ですが、維持管理コストを最小限にするために管理のしやすい設計を行ったり、省エネルギー化を徹底し光熱費の抑制を図ったり、各部材の耐用年数を考慮した経済的で計画的な更新が行えるよう配慮したりすることで、LCCを低減することが可能となります。
また、既存の建物においても「LCCの低減」に考慮して運営することで、その後のビル事業収支に多大な影響を与えることになります。単なるコスト削減を目指すのではなく、多面的な視野に立ったコストマネジメントが必要です。
建物・設備の耐用年数は、構造や仕様によっても異なりますが、毎日少しずつ経年劣化していき、そのうちその生涯を終えます。 収益事業として考えた場合、建物・設備の長寿命化により単位時間あたりのコストを圧縮する必要があります。
右図は建物竣工当時の資産価値を100とした場合の、経年による建物資産価値低下の概念をグラフ化したものです。 通常のメンテナンスを行っていた場合はグラフBのような下降線をたどりますが、適切な管理を行わなかった場合にはグラフCのような急な下降線をたどり、建物の耐用年数が短くなります。また、定期的な改修工事を行うことで、都度資産価値は引き上げられ、結果、建物の耐用年数は長くなります。
私たちエム・エス・ビルサポートでは、LCCを考えた建物管理はもちろんのこと、建物の価値を向上させるための定期的な改修工事を併せた長期修繕計画(有償)をご提案いたします。
ビルメンテナンスには、各種法規で定められているものと任意で行うものがあります。ビルオーナーの法的な責任が問われる項目、建物の安全性や信頼に関わる項目、建物もしくはその周辺の防災・防犯に関する項目、建物や設備の維持保全に係わる項目、入居者の快適性、印象に関わる項目など、ビルメンテナンスの項目にも目的があります。なぜ、何のために行うのか、その目的は達せられているのか、同じ効果を異なる方法もしくは安価に行えないかなど、また築年数によっても異なるため、検討する項目は多岐に渡ります。
●法定点検項目
受変電設備の点検、消防設備の点検や、エレベーターの法定点検、特殊建築物定期調査、建築設備定期検査および水質検査などがあたります。行わないと建物所有者としての法的な責任を問われます。
【入居者への影響】
消防設備といった建物の設備管理を怠った場合、火災時に入居者のみならず来訪者の人命にも影響を与えてしまいます。
【建物への影響】
建物の基本的な機能についての点検項目のため、知らないうちに機能劣化をきたし、収益ビルとしての体をなさなくなってしまいます。
●建物設備の維持保全
空調設備の点検、各種設備監視業務、自動ドアの点検、機械式駐車場点検、給水ポンプ点検などがあたります。 テナントに使用収益させるために、機能維持に努めなければならない項目です。
【入居者への影響】
空調設備が故障した場合、入居者の快適性に影響を及ぼすだけではありません。例えばテナント資産のサーバーが故障し、業務に支障を与えるといった二次災害に繋がる可能性があります。
【建物への影響】
将来的に大きな故障・機能低下に繋がり、必要以上に多大な改修・更新コストが発生する可能性があります。
●美観維持管理
日常の共用部清掃や定期的な床面清掃、窓ガラス清掃、貯水層清掃、また植栽管理等があたります。建物の入居者や来訪者の快適性や印象を決定づける大切な項目です。
【入居者への影響】
入居者が利用するエントランス、エレベーターホール、廊下、メールボックスなどが清潔に保たれていないと、入居者の快適性・満足度の低下を招きます。
【建物への影響】
素材に適した清掃を行っていないと汚れが落ちにくくなり、美観を回復する場合に必要以上のコストが発生する可能性があります。